おこもりさんも大海の夢を見る

諦めず、焦らず、時に倒れても海を目指して、ほふく前進する引きこもりの雑記ブログ

ホラーよりも怪談よりも怖い母の話 / 妄想だといいのだけれど

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つい数日前に気がついたことがある。

 

私は幼稚園から高校まで、実父から暴力をふるわれていた。

理由は些末なことや、言いがかりがほとんどだ。無理難題もあった。

私はアザができにくい体質で、平手で顔を張られたくらいでは赤くもならない。

それに、父は各種武道に長けていて、身体に決定的なダメージを与えることはしなかった。

ただし、殴られたり壁に叩きつけられたり踏まれたりで、私が吐くことはあったし、私の頭はタンコブだらけではあった。

 

そんな父親が、中学の時と高校の時に、何故か「学校に行けなくしてやる」と、酷く顔を殴られたことがあった。

私は片側の顔が青黒く腫れ上がり、目が開けないほどで、誰の目から見てもただごとではない状態だった。

母親は冷やせと言ったし、学校を休めとも言ったが、私はわざと冷やさずに腫れ上がった顔を晒して学校へ行った。

教師が何かしら聞いてくると思ったからだ。

 

しかし、同級生たちはドン引きし、触らぬ神に祟りなしといった体で、声をかけて来なかった。

そして、教師たちは私と目が合うとすぐに目をそらして、見なかったことにしたのだ。

私は絶望した。

これが世間というもので、大人というもので、私はどうあっても保護されることはないのだと悟った。

教師に相談事をするのは迷惑であると母からキツく止められていたし、言いつけたとなったら両親の報復が怖かった。

しかし教師から聞かれれば、答えないわけにはいかなかったと、一応筋立てができる。

 

確かに当時は虐待に関する通報義務は法律になく、しつけと称して暴力を振るう親は今以上にいたと思う。

けれど、その時の私ほど、妖怪的顔面で登校する生徒はいなかったように思う。

教師たちは、それほどまでに関わり合いになりたくなかったのだろうか。

私の両親に会ったことがある教師ならば、そう思っても不思議はない。

しかし、中学・高校は授業ごとに教師が違うわけで、その全教師が何も言わなかったのは、本当に面倒ごとを避けたいだけだったのだろうか。

当時私は教師とはそんなものだと決めつけたけれど、担任も教科担当も全員って、アリか?

しかも高校は私立の女子校だったから、誰もが私の顔に驚いたはずだ。

 

そうして何十年か過ぎた数日前、何故私の母親はあんなにも嘘つきなのだろうと、もう考える必要もないことを考えていた。

また、何故母は学校に私の持病や大腿骨の亜脱臼のことを学校に言ってくれなかったのだろうとも考えた。

その時にある疑念が浮かび上がったのだ。

むしろ何故、今までその可能性を考えなかったのかが不思議なくらいありそうな話だ。

 

その疑念。

母親は私が腫れ上がった顔で学校へ行くことを、予め学校へ連絡していて、その件については私に何も聞かないように手を回していたのではないか。

そして職員の朝礼で、そのことを教師たちが共有していたのではなかろうか。

塾にだって同様に連絡していたのではないか。

何しろ、私が殴られて吐いて「病院へ行きたい」と訴えても「お前は父親を犯罪者にする気かっ!」とヒステリックに喚き散らして病院へ行かせなかった母親である。

「助けて欲しい」と嘘をついて、自分の気に食わない会社に勤める私を退職させ、自分の関連する会社へ私を就職させた母親である。

あり得ない話ではない。

 

私は妖怪じみた顔をしていても、いつもと同じように振る舞っていたので、同級生たちは驚きのあまり、何と言って良いのか分からなかったかもしれない。

しかし、大人が誰一人として声をかけないって、誰一人責任ある大人の教師がいないってことはあるだろうか。

私は教師とはそういう性質の人ばかりだと決めつけたが、実は母親が動いていた可能性が高いのではないか。

むしろそれが自然な気がするではないか。

 

そこへたどり着いて私は戦慄した。

母の嘘は私の人生や精神に加え、外的環境をも蝕んだのか。

現在は絶縁していて、母がどう暮らしているのかは知らない。

連絡が来ないので、生きてはいるのだろう。

母が生きている限り、いや死んだとしても、どんな嘘をついて誰かしらを操っているとも限らない。

危険がまだ去っていないと思うと、背中がゾワっとする。

幽霊なんかより余程怖いのは、いつだって人間だ。

 

 

今週のお題「怖い話」