これ↓、ちがーうっ!紙のせいではないっ!少なくとも中傷零細企業においては。
経理総務経験者として言わせていただきたい。特に中小企業の経理総務に紙文化が残っていることは知っている。
だが、支払い、資金移動、各種決済などをデジタル化したところで、自宅で仕事はできない。できないようにしているべきだ。
何故なら「秘密だらけで万が一にも情報流出が許されない」のが経理や総務だからだ。
紙はもちろん、USBなどの持ち出しも厳禁。会社によっては社内のネットワークにつなげず、wwwにも当然つなげない、スタンドアローンのPCを置いてあったりする。情報流出のリスクをなくする、鉄壁の守りである。
そうやって、社員の個人情報やお客様のセンシティブな情報を守っているのだ。
それに、紙でしかもらえないものがいっぱいある。
領収書だの請求書なんてのは、金を出してシステムを導入すればペーパーレス化できる。
契約書だって、営業活動で発生するものなら、やってやれないことはない。手形や小切手は使わなくすればいい。
だが、印鑑証明、登記簿謄本、保険証書、住民票、銀行との契約書などなど。こいつらは日本のシステムを変えない限り無理なのだ。
で、このニュースで言っている「経理」はおそらく「経理事務」のことだろう。「経理事務」の業務は部分的にテレワークできる。
だが経理マンは、テレワークほぼ無理。「総務」もほぼ無理。
つか、非常事態の時に会社にいて、様々な問題に対処するのが「総務」。
今、本決算や株主総会に向けて財務諸表などを作っている経理も無理。一年で一番忙しいときだもの。
紙の問題だが、紙も必要なのだ。もしもPCが壊れたらどうする?復旧を待てないときもある。
いついかなる時でも、対応できるリスクヘッジをしておく。それが管理部門のプロフェッショナル!
♪ ずっと探して〜た・・・
実は私、経理にいたときに、一年分の会計データを吹っ飛ばしたことがある。しかも、決算作業中だった。
バックアップデータはとってあったが、どこまでバックアップされているのか分からないという始末。
何故なら私は仕訳を手書きで起こしていなかったのだ。元資料から直接ガーっとブルドーザーのごとくパンチしていた。
そりゃもう荒っぽい経理だった。極端に言うと、全部「諸口」という仮科目にぶっ込んで、後から「諸口」残高が0円になるまで、仕訳するカンジ。
経理スタッフとしてあるまじき所業。
ただ、上司に帳簿と試算表を必ず印刷しておくように命じられていたので、面倒臭いと思いつつもそれだけは在ったのだ。それで助かった。
目を血走らせクマを作りつつ、1日半で全仕訳を復活させた。腱鞘炎寸前だったが何とかなった。
そんな事件があってから私は心を入れ替え、紙のデータは絶対にとっておこうと誓った。そして、自分がいかに経理事務に向いていないかを知った。
だから、すごい勢いで新卒の部下に会計を教え込んで、自分は手を引いた。自分がちまちまと財務諸表を作るより、部下の仕事に責任を持つ方が私には楽だったので。
間違えたら謝って直せばいいのさ。
自分が間違えたら吐きそうになる私だが、部下が間違えたのを謝るのはストレスフリーだった。
人には向き不向きがある。
そんな社内の秘密がガンガン入ってくる、てか自分が一枚噛むことになる部署にいたため、墓まで持っていかなければならない話がいっぱいある。
私は貝にならねばならない。
だからね、基本的な業務がペーパーレスになったとしても、経理総務は会社でしなきゃならない仕事が大半なのだ。
ちなみに財務もやっていたが、財務はこういった非常時に売り上げが下がるなんて場合、計画をし直したり、銀行と追加融資の相談をしたりするため、家にいては仕事にならないのだ。
だから今、多くの経理・財務部門幹部が会社にいるのは自然なのだ。
非常時に仕事をしがちなのが管理部門なのだ。