明るく歌ってみる。うーつが来ーた、こーこーにー来・・・
ハッキリ言って、昨夜24時近くまで忘れていた。記念日うつのことなんて。
アレ以来、毎年3月はウツっぽくなる。私は当時東京にいたし、田舎には付き合いのない親戚しかいなかった。
ただ、私の魂の一部、アイデンティティの要は、あの海辺の集落の上を漂っているので、喪失感が半端なかった。
特に、水蒸気爆発以降は。
それに、何よりも、東京で家族を含め、職場の人々や友人知人の発言や振る舞いで、私が人間不信になるのに充分な出来事が細かく沢山あったのだ。
だから、以来3月は毎年おかしくなる。
まあ、毎年のことだが、ついうっかりニュースなんかを見かけたり、ネット民の言葉を見かけたりしているうちに、目が据わって、ドッカーンと怒りが爆発する。
目の前にいたら胸ぐら掴んで吊し上げて・・・。言いたいことが頭の中で氾濫する。「30km圏内だって補償なんかねーよ、当然恩恵も元々なかったんだよっ」とか。「ただの土地じゃねーんだよ、親が死ぬより辛いんだよっ」とか。
しかし。
今年もそれなりに憤ったが、すぐに鎮火した。心の傷は塞がってはいないが、傷口から噴き出していた血は止まったらしい。
トマトが食べたいなぁと思った。
唐突なようでいて、そうではない。関連があるのだ。
我が故郷には、だだっ広いトマト農園が出来るらしい。未確認情報だが、そういう案が公的機関で出ていたのは確かだ。でも未だにできていないのは何故だろう。まあ、何か事情があるのだろう。
トマトは塩害に強いらしい。でもまあ海水よりも問題なのは、山から流れ出す剣呑な見えない毒物なので、土はどこかから持ってくるのだろう。あるいは水耕栽培かもしれない。
今や、農業法人が室内で合理的に野菜などを栽培している。ほぼ全自動で、人手も少なくて済むらしい。天候に関係なく予定通りに作れるようだ。
でも、個人的には、本物の太陽をいっぱい浴びて真っ赤になったトマトを食したい。それも、昔ながらのちゃんとしたトマト。もいで井戸水で冷やした甘酸っぱいトマト。
うちのトマトは美味しかった。いつだって完熟でみずみずしかった。
冷え冷えの真っ赤なトマトが食べたい。山ほど食べたい。
そういえば、最近野菜あんまり食べてないんだっけ。
ウツじゃなくて、ビタミン不足なのかもしれない。栄養が偏ると空腹になるからな。
うーん、柑橘系も食いたい。レモンスカッシュも飲みたい。
フルーツ山盛り食べたーいっ!
・・・安価なオレンジジュースでも飲んでおくか。しょぼ。