文章を書くとき、殊に詩を書くときに使う漢字を気にしている。
間違っているかもしれないし、私個人のイメージでしかないかもしれない。それでも拘らずにいられない。
例えば「アオ」という色を表す語句の漢字だったら、「青」「蒼」「碧」のどれかを使うのが一般的だろう。
私の主観だと「青」は原色から彩度や明度が高いイメージ。「蒼」は紺色寄りで、彩度や明度が低いイメージ。「碧」となると、青緑よりはアオ寄りだけれど、緑色を含んだアオだ。
例えば「アオざめた顔」は「蒼」がしっくりくる。
「森の中の池のアオ」なら「碧」。場合によっては「蒼」でも良いが。「鬱蒼とした森の中」っていうくらいだし。
でも「アオい山」は「蒼い山」。近景と遠景の違いだ。空の色のせいか、遠景だと「蒼」く見える。近づくにつれ緑が濃くなっていくように見える。
「春の空はアオかった」なら「青」一択。「蒼い空」「碧い空」のチョイスは考えられない。「蒼い空」は日没や雨天なら使うことがある。
当然「群青色」「紺色」「藍色」「空色」など、バリエーションは多い。けれど、人それぞれ色の見え方が違うし、言葉の認識も違うので、言語で色を伝えるのは難しい。
色鉛筆が大好きで、名前を見るのも楽しみのひとつ。使うときには色しか見ていないが、色鉛筆は眺めるだけでも楽しい。
色見本を作るのも楽しくて仕方がない。
持っている色鉛筆で画用紙に、小さな長方形を塗る。隣に細ペンで名前と色番号を書く。
このとき、塗る順番を決めるため、200本だか300本だか持っている色鉛筆を並べ、試し塗りをしながら入れ替えていく。
無駄以外の何物でもない時間だが、これが好きなのだ。
インターネットで色の和名を眺めるのも良い。いくら見ても飽きない。洋名でも楽しいが、和名の方がより好みだ。
あ、塗り絵をしたい気持ちから、話が逸れた。
ちなみに私の好きな色鉛筆は「ホルベイン・アーチスト」と「ベロール・イーグル(現サンフォード・カリスマカラー)」。芯が軟らかいのが特徴。安売り店で買ったりすると、最初からバキバキに折れていたりする。お高いので泣ける。
「ファーバーカステル・ポリクロモス」や「ユニ・ペリシア」にも興味津々なのだけれど、宝くじの高額当選でもしないと買えない。
宝くじが当たったら、色鉛筆やパステルやカラーインクなどを集めて画材部屋を作りたい。絵を書くわけではない。
並べてニマニマするだけだ。