「紅葉狩り」って、採ってきて食うんすか?
と、まあ私には縁のないものだ。
紅葉は美しいとは思う。だが、街路樹などの紅葉は、落ち葉が汚くなっていくのが気になるし、落ち葉の下に、踏んではいけないバッチイ物があったらどうしよう、と不安に駆られる。
潔癖症ではないが、不安障害なのでこれも症状のひとつだ。
だが、マジで食えない物を採ってきてどうするのだろう。飾って楽しむのか。
子供の頃、落ち葉を拾ってきて、画用紙に貼るとかいう工作があった。私はその工作の目標とするところが理解できなかった。
濡れていたり、虫食いがあったり、黒ずんだ部分があったりするのが嫌だったし、銀杏の葉っぱに至っては臭いそうで嫌だった。
良さそうな葉っぱを裏返すと、鳥の白いフンが付いていたりするものだ。
彩り豊かな樹々を眺める分には美しいが、机の上に持ってきた葉っぱは美しさを失っていた。
しかも仕上げた作品は、いつしか葉っぱが乾いて割れて、こ汚い物に変身した。
大人になった今なら、フィキサチーフのような、何かしら仕上げにすることがあると想像がつくが、当時は糊かなんかで貼っつけて終わりだったのだろう。
美術だったか、理科だったか覚えていないが、葉っぱから葉脈を取り出すということをしたことがある。
不器用なので、上手にできなかった。
ちぎれたり、一部葉っぱの緑が残ったりした。
ところで「紅葉狩り」をググったら、どうやら「紅葉を鑑賞すること」であって採ってくることではないらしい。
何だ食わないのか、と肩透かしを食らったように思ったが、大阪では食用に紅葉を育てて、天ぷらにしているらしい。
かなり古くからそういうお菓子があるようだ。
これ、美味しいのだろうか。私の食指は動かないなぁ。もちろん、目の前に出されたら食ってみるけど。