若い人たちには「今更かよ」と言われそうな「andymori」と「小山田壮平」と「AL」。
先日バラエティー番組を観ていたら、ほんの少しサビの部分だけ、小さな音量でインストゥルメンタルで流れた曲があった。
普通ならスルーするはずの、ささやかなBGMだった。なのに、私の頭の中で「♪ファンファーレと熱狂 赤い太陽〜・・・♪」と歌が流れたのだ。
この曲、何だっけ? 私は記憶の抽斗を漁った。そうしたら、珍しく記憶が出てきたのだ。
数ヶ月前に、お気に入りのブログで紹介されていて聴いてみた曲だ。しかし、タイトルが出てこない。「ファンファーレと熱狂」でいいのか?
ググったら、出てきたよ「andymori」。タイトルは「1984」だった。
どこか懐かしい雰囲気なのだが、明らかに私の世代より後の世代のものだ。でもって、メインボーカルの個性的かつ未完成感のある少年のような歌声、私の耳にストライクなやつだ。
andymoriは既に解散したバンドだが、ボーカルはまだ音楽活動をしていて、新しいバンドをやっていたり、ツイキャスなるものもやっていた。YouTubeにも音源が沢山出回っていて、ラッキーとばかりに、聴き漁った。
小山田壮平の歌は、尾崎豊にどこか通ずるものがあるが、圧をかけてこない。むしろ引いているような、揺れているような、心地よい不安定感。
自作なのにボーカルの音域よりキーが高い曲が多いようで、彼の低音から中低音が好みな私としては少し残念。それでも、ちょっとハスキーで、太くて厚みがあるのに少年みたいな声が耳から離れない。
もっと売れていいボーカリストだと思うのだが、何故か商業的にそれほど成功していない様子。あえて商業ベースに乗らないようにしているのだろうか。
andymoriとALのどちらのバンドも、雑な印象を受ける。音が足りないような感じ。ポップなサビでも、CMのタイアップは無さそうな、良くも悪くもビジネスにならなそうな、アングラっぽい匂いがする曲と歌だ。
例えば私の聴覚を今も半ば占領している「1984」のサビ。ここのボーカルはベースが歌っていて、小山田壮平は低音でハモっている。
ファンファーレと熱狂 赤い太陽
5時のサイレン 6時の一番星
このサビの最後の「一番星」を「いちばんぼし」と字余りで歌っているのだ。文字の表記は別にして「きんせい(金星)」と歌えば、すんなりまとまるのに、わざわざ「いちばんぼし」。
他の曲だが、メロディーも上がるのが自然なところで下がったりする。でも、その「小綺麗にラッピングしたくないんだよね」な音が、好ましく思えたりもする。
もっとピカピカに綺麗に磨き上げたら、どっかーんと売れる気がするのだが。スタイルじゃないんだろうなぁ。
いっそ、カバーアルバムでも出したらいいのに。いや、出して欲しいのに。
私たちの世代以上にガツガツしていない佇まいが、彼の歌と声に魅力を与えているのかもしれない。
wikiを確認してみたら「オルタナティブロック」とあった。どうやら70年代の商業主義的ロックに対抗するものらしい。なるほど。
でも、やっぱり、勿体無い。
なんと図書館でandymoriのアルバム5枚ともあった!早速予約しましたさ。CDの状態は分からないので、ちゃんと聴けることを祈るのみ。
(ボンビーで買えないのだ。苦苦苦)