昭和ってもう「レトロ」なのか
「大正レトロ」なら知っている。だが、時代は「昭和レトロ」なのね。ああ、私は昭和の遺物なのね。化石みたいなもんなんだわね。
「昭和レトロな懐かしのレシピ」ってのを見かけて、ショックを受けている。しかも、メニューが更にショックだった。
「里芋の煮っころがし」については、まあ懐かしの味かもねと思う。外食でもおうちご飯でも、ないでしょうな。里芋自体が高いしね。
「生姜焼き」「肉じゃが」「ポテトサラダ」「ナポリタン」って、普通に食うでしょ。特に「生姜焼き」や「肉じゃが」なんて自炊するなら定番でしょ。
私は数名の老人から「君は古いね」と言われたことがある。30歳前後で、齢70前後の爺様たちからだ。しかも別個に。
年寄りじみたところがあるのは、自分でも自覚している。食べ物も、和食が好きだし、和菓子が好きだ。でも、コーヒー党だし、無洗米を電子炊飯器で炊いている。
私の感性は「レトロ」の域には達していないと信じている。
でも、その昭和レトロなご飯のページに載っていた物は、私にとってちょっとハイカラな物もあったりして、ガチョーンなのだ。
「マカロニグラタン」って、ハイカラってか、モダンじゃないの?少なくとも懐かしくはないでしょーよ。
だって「グラタン」よ。オーブンがあるってことでしょ。オーブンってそんなに普及してたか? うちになかっただけなのか?
両親ともに新しいもの好きだったが、もしや食に関しては古かったのか。
・・・・・。
バブルの真っ只中、私はド貧乏だったのを思い出した。あの辺りで、世間様は昭和飯から離脱したのかしら。
そして私は時代に取り残されてしまったのかもしれん。
そういや「和食」って世界無形文化遺産に登録されてんだっけ。
いいさ、いいさ。あたしゃ、ババアと言われても、和食文化を守っていくさ。