これは太陽の写真で、今日の話とは関連がないのだ。
小学生のとき、学校帰りに田んぼの真ん中で、夕陽と馬鹿でかい真っ赤な月をいっぺんに見たことがある。夕陽はしょぼかったのだが、街並みから半分出てきた月が怖かった。形は歪んでいて、色は真っ赤。それが周囲の空に溶け出しているように見えた。
どんなに探してもあの月と似た映像はない。地平線際の月は赤く見えるらしい。そして、地平線際の月は錯覚で大きく見えることがあるらしい。
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いやいやいや!そんな大きさじゃなかったってば!東と西をなんども見比べて、やっぱり月が異様で、私は天変地異が起こるのかと思って、脚がカクカクしていたのに頑張って、走って家に帰ったんだから。翌日友人にちょっとだけ話したくらいで、あまり人に話さなかった。それくらい怖かった。
だって、信じてもらえないんだもの。まず、夕陽と月をいちどきに見たというのが「虚偽認定」される。で、月が赤いのと大きいのがダブルで「虚偽認定」される。「虚偽」でないなら「夢」だと言われるのだ。
ど素人的に現象を推察しよう。月の色は、地平線付近だと赤く見えるという情報の通り。大きさや形に関しては、たまたま気象条件により、雲を通して一種のレンズ効果みたいなことが起きて、潰れた卵の黄身のように歪んで大きく見えた。色も雲に映って空に溶け出したように見えた。まあ、こんなところだろう。太陽と月が両方見えるかって?それは珍しくもないらしい。映像を見つけた。
「怖いくらい美しい」という表現があるが、あれは凄絶な光景で、美しさは感じなかった。強烈な禍々しさだった。もう一度見たいかと聞かれれば、見たくない。だが、嘘つきの汚名を返上すべく、現象を動画に残したい気持ちはある。当時、携帯を持っていたら動画を撮ったかな。怖くて撮れなかった気がするな。
今週のお題「空の写真」