逢魔時は嫌いじゃない。少し鳩尾のあたりがスースーする感じで、落ち着かない。けれどその時間の空や街を、カフェでホットコーヒーを飲みながら見ると、私は落ち着くのだ。頭がクリアになる気がする。何か書けそうな予感がする。大抵は気のせいなのだが。
夜明け前も好きだ。私は曖昧な時間帯が好きなのかもしれない。朝焼けや夕焼けがない時間帯。暮れているようないないような、薄ぼんやりとした空。それはほんの束の間で、すぐに暗くなり街がピカピカとネオンだらけになる。
清少納言とは「春は曙」だけ、意見が一致している。曙と言っても、雲が淡い紫かな灰色かな、なくらいの頃合い。蚊に喰われるから夏は夜じゃないと思うし、秋も夕暮れじゃこれ見よがしな気がする。冬はつとめて、なんて寒冷蕁麻疹の私にゃ「つきづきし」なんて思えない。冬は昼過ぎの小春日和なお天気が良い。お布団の中で足元に猫がいてぬくぬくなら、早朝もいいのだが。
もっとも、逢魔時は車を運転していた頃は嫌いな時間帯だった。何かと見えにくいのだ。しかも、ライトを付けずにかっ飛んでる車がいたりして危ない。安全地帯から眺めるからこそ素敵な時間なのだ。
今週のお題「空の写真」