おこもりさんも大海の夢を見る

諦めず、焦らず、時に倒れても海を目指して、ほふく前進する引きこもりの雑記ブログ

耳なし芳一ならぬ・・・

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ならぬ・・・・足なしT子であった。

妹の話である。怪談ではないが、もっと怖いかもしれない。

 

妹は子供の頃から、色素が若干薄めで、皮膚が弱かった。

だが、どれほど弱いのか、私は分かっていなかったのだ。

 

平成も半ばのゴールデンウィーク三日前。

私は思い立った。

いつもお留守番をしてくれている妹に、沖縄を見せたい、と。

ちゃっちゃと、飛行機と宿とレンタカーをゲットして、

五日間の姉妹二人沖縄旅行へ出かけた。

 

出かける前から、不審に思うことはあった。

「準備できた?」

と、妹の部屋の扉を開けると、彼女はでっかいポーチと格闘中。

何をそんなに持っていくのか。旅慣れていないから荷物が増えるのか。

「アメニティあるから、日焼け止めとムヒ持ってけば大丈夫だよ」

私はそう言ったが、妹はそういうわけには行かないと言う。

日焼け止め3種類、虫除け、ムヒ、オロナインなどなど、

私なら一泊旅行に行けそうなポーチに詰め込んでいたのだ。

 

長袖にジーパンに帽子に・・・・。

おいおい、沖縄に行くんだぜ。五月の沖縄、あっついぜ。

と、少しの助言はしたものの、ガンとして聞かない。

マジで、彼女の紫外線対策は、尋常ではなかった。

「姉ちゃんは、要らないんだ・・・。そうか。

それで、サクサク出かけられるんだね(ボソ)」

妹は暗く呟いた。

 

兎にも角にも、出発だー!

ハイテンションで私は出かけた。

妹は普段からローテンションな子なので、私は気にしていなかった。

嫌ならついてこないから、彼女なりに楽しみなのだろう。

 

一日目は移動で終わり、二日目にちょっとした出来事があった。

ドライブ中、ジーパンを履いていた妹の腿が赤くなったのだ。

ジーパン履いてて、日焼けするか?

「ああ、やっぱり、薄いのにしちゃったからなぁ」

妹にとっては、やっぱりなことだったらしい。

ここでも私はまだ楽観的だった。

助手席にずっと日が当たっていたからだろう、と。

 

四日目にフェリーで離島、座間味島シュノーケリングに行った。

そのとき私は、半袖短パンにビーサンでデッキに寝転がっていた。

船の上は海風のおかげで涼しい。

中に引っ込んでいた妹も、しばらくすると出てきて、隣に転がった。

で、ほんの十数分、二人で眠ったのだ。

 

私は、日焼けしにくいので、日焼け止めは塗っていなかった。

妹は、バッチリ最強日焼け止めを塗っていたらしい。

そりゃもう、全身隈なく塗ったという。

 

ところが、帰りのフェリーで、妹の様子がおかしい。

彼女は泳ぎが得意で、シュノーケリングを存分楽しんでいた。

なのに、夕方のフェリーの中で、足を怪我した様子だった。

「どうしたの?」と見てみると、左足の甲が黒ずんでいる。

「やっちゃった。ここだけ塗り忘れたみたい」

そう。左足の甲だけ日焼け止めの塗り忘れをし、

赤いのを通り越して、火傷で真っ黒に変色していたのだ。

 

耳なし芳一ならぬ、足なし・・・。

私は慌てた。だって、何倍も日に当たっている私は

赤くもなっていないのに、妹は大火傷。

「びょ、病院探さなきゃ・・・オタオタ」

「慣れてるから大丈夫。全部持ってきてるから」

妹はあくまでも冷静だった。

「まあ。ここまでのは初めてだけどね」

 

ホテルで妹は、足を消毒して、オロナインを塗って、

布で足をぐるぐる巻きにして、夕食に出かけようという。

「ごめんよ。こんなことになるなら別の所に行けば良かったね」

「いーから、いーから。一度来たかったんだ」

妹はそう言ってくれたが、足は痛々しかった。

 

東京に帰ってからも、足の包帯は取れず、

火傷の跡は腐ったようになり、私の心は痛んだ。

後から知ったのだが、東京にいる時から、年中無休で日焼け止めを

塗っていたらしい。

塗る日焼け止めの種類が季節で変わるだけとのこと。

小さい時から、長袖長ズボンを着ることにこだわっていた妹。

なんで、言ってくれなかったのか。

母親も知らず、私に何とかして妹にスカートを履かせろと、言っていた。

 

・・・・ん?ああ、そうか。

私は一人納得した。

あの毒母に体質のことを言うのはタブーであったな。

 

おそらく、軽いXPとかいう病気なんじゃないかと思われるが、

妹は病院に行っていない。

日常、何とかなっているからいいの、だそうだ。

 

でも、もし、妹が意識不明になり、日当たりのいい病室に入れられたら、

丸焦げになるのでは・・・・。

今、毒母と暮らしている妹を、私は結構心配している。

 

 

 今週のお題「平成を振り返る」